京都は立派な神社仏閣が数多くあり、一年中大勢のひとが訪れる人気観光スポットです。
とくにお花見や紅葉シーズンは、ひときわ美しい京都の風景をみるために大勢の人が押し寄せ、
お花見を満喫するより人ごみで疲れてしまうことがしばしばあります。
こちらのページでは、代表的な桜のスポットではなく京都でひそかに桜を楽しめる場所を廻ってみました。
八百万の神がお祀りされている「吉田神社」
吉田神社は節分三日間に開催される「鬼やらい神事」で有名な吉田神社は、859年 (貞観元年) 平安京の
守護神として藤原山蔭(ふじわらのやまかげ)により、古くから神々が天下り神楽を奏でたことから
「神楽岡(かぐらおか)」と呼ばれている吉田山に創建され、厄除け開運の神様として信仰されている古社です。
八角形という珍しい形をした大元宮は国の重要文化財に指定されており、八百万の神(やおよろずのかみがみ)がお祀りされているので、大元宮を参拝すれば全国のすべての神社を参拝したことになるそうです!
また、コミック「神様の御用人」の舞台にもなっている神社で、ひそかに桜を楽しめる場所です。
“御用人”を命じられた青年の東奔西走の日々が始まる!
野球をあきらめ、おまけに就職先まで失った萩原良彦。
彼がある日突然命じられたのは、神様の願いを聞く“御用人”の役目だった。
人間味溢れる日本中の神様に振り回され東奔西走する、ハートウォーミング神様物語。
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その中でも、ひときはフォトジェニックなスポットが見られる吉田山の山頂部へ向かいます。
赤い鳥居と桜並木が一直線に続く「竹中稲荷神社」
吉田山の上部に鎮座する竹中稲荷神社(たけなかいなりじんじゃ)は、平安時代初期に社殿が存在したと
記録されており、現在は吉田神社の末社です。
ご祭神は、宇賀御魂神(うがのみたまのかみ)・猿田彦神(さるたひこのかみ)・天鈿女神(あめのうずめのかみ)
の三柱で、商売繁盛のご利益があります。
竹中稲荷神社の参道は、赤い鳥居と桜並木が一直線に続くフォトジェニックなスポットです!
ひっそりと桜を見る場所として知られていたそうですが、今ではインスタ映えするスポットとして、
注目されているので、ひっそりと楽しむのは少し難しいかもしれませんね!
鳥居から境内へ続く桜のトンネル「宗忠神社」
幕末の動乱期には皇室や公卿、二条家、九条家からの篤い信仰を集め、幕末最後の天皇・孝明天皇の
唯一の勅願所ともなったといわれる宗忠神社は、黒住教(岡山県)の教祖である黒住宗忠を祀る神社として、
1862(文久2)年に創建されました。
私は境内から石段を下りていきましたが、上からでも下からでも素敵な桜のトンネルが見られます。
こちらは、ひそかに桜を楽しめるスポットです!
参道の上にたたずむ二の鳥居は「宗忠鳥居」と呼ばれる形式で、数ある鳥居の種類の中で「神明鳥居」の
代表的な形式の一つだそうです。
宗忠神社の石段を下り切ると、真如堂(しんにょどう)の正門が正面に見えてきました。
近づいて正門をくぐると、左手に華やかな桜と鳥居が・・・
お寺に鳥居?法伝寺「咤枳尼天」
あれ? お寺の敷地に鳥居? 綺麗な桜に惹かれて境内へ入ると、外から見るより広い!
法伝寺・咤枳尼天は順徳天皇によって開基され、真如堂の鎮守社「稲荷堂」として信仰されていたそうで、
現在は真如堂の塔頭寺院になっています。
鳥居があるのは明治期の神仏分離を免れたひとつで、「咤枳尼天(だきにてん)」を祀る寺院としては
日本最古とのことです。
敷居がないのは、真如堂西側の吉田山(神楽岡)にある吉田神社の神々が、夜の参詣でつまづかないため
という言い伝えがあるそうです。近くの神社から神様がお寺にお参りに来るなんて面白い話ですね!
女性に人気の真正極楽寺「真如堂」
真如堂で知られる真正極楽寺(しんしょうごくらくじ)は、平安中期984(永観2)年比叡山延暦寺の僧
戒算上人(かいさんしょうにん)が延暦寺にあった阿弥陀如来を安置したのが始まりとされています。
国宝の「法華経6巻」をはじめ、京都六阿弥陀の一つご本尊の「阿弥陀如来立像」など
多くの宝物を所有する天台宗のお寺です。
ご本尊の阿弥陀如来立像はそのやさしい表情から「うなずきの弥陀」と呼ばれ、
「女人をお救いくださる」との言い伝えが古くからあり、女性の参拝者が多いお寺だそうです。
真如堂はかなり高い位置にあったようで、かなり急な坂道を降りて哲学の道へ向かいました。
道にある標識で気付いたのですが、どうやら猿がいたようです。びっくりした!
やっとたどり着いた「哲学の道」は、ひそかな桜の名所とは言えませんが、風情があります (*^0^*)
四季折々の風景が楽しめる「哲学の道」
銀閣寺から熊野若王子神社まで続く、疎水沿いの約2kmの小路を「哲学の道」といい、
哲学者の西田幾太郎が思惑にふけりながら散策したことが、名前の由来になったといいます。
春は桜、夏は新緑、秋は紅葉と四季折々の風景が楽しめるそうです。
まとめ
今回は、桜の美しいスポットとしてひそかに知られている京都の左京区を散策してきました。
京都の東山区の人が多く華やかな場所とは違い、一部を除いて静かに桜を観賞することが出来ました。
また、神社やお寺の背景には興味深い言い伝えや歴史があるので、行く前に下調べをしておけば、
別の目線で見学できたり、見るべきものを見逃さなくていいことがあったので、
もっと調べていけばよかったと後悔した場所もありました。
こちらは、京都大学正門前でバスを降りてから哲学の道まで徒歩で廻れるコースですが、
急な上り坂や下り坂、石段が多いので、歩きやすい靴で観光されることをお勧めします。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。